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ロバーツ監督「大谷に不満」「脳痙攣」等、メディア報道の問題点

ロバーツ監督「大谷に不満」「脳痙攣」等、メディア報道の問題点

2024年10月18日(現地)ナショナルリーグ優勝決定シリーズ第5戦で、大谷翔平選手が初回に見せた走塁判断についてメディアで大きく報じられました。この場面でのロバーツ監督のコメントを元に、米メディアは「脳痙攣」などの表現を用い、大谷の判断を揶揄するような報道が相次ぎました。しかし、実際のプレー内容や背景を冷静に分析すると、必ずしも大谷が批判されるべき状況ではなかったことが見えてきます。

動画:問題のシーン

撮影:Shinsuke Handyman

1. 初回の走塁ミス?とメディアの反応

大谷選手は試合の初回、メッツのピーターソン投手からヒットを放ち無死二、三塁の好機を作りました。しかし、3番のテオスカー・ヘルナンデスの遊ゴロの際、三塁に留まり本塁突入を避ける選択をしました。この判断について、ロバーツ監督は試合後に「ショウヘイはあの状況では走らなければならなかった。」とコメント。また、米ニューヨーク・ポスト紙は、「脳痙攣の代償」としてロバーツ監督が「大谷に不満を抱いた」と報じ、これを日本メディアも報じました。

ロバーツ監督は「彼は脳が痙攣して動けなくなってしまったのかもしれないね」とコメントしたと、メディアはこの表現を揶揄するかのように強調し、大谷選手の判断や、ロバーツ監督のコメントを過度に報道する姿勢を見せています。

2. 走塁の背景と大谷選手の判断

大谷選手自身も走らなかった理由を明確にしています。「打球が非常に速く、このままではメッツの遊撃手リンドーアが本塁に投げてアウトになると思った。」と説明しており、無理に突入するよりも、次のバッターに繋ぐほうがリスクが少ないと考えたと述べています。次打者フリーマン選手が右足首を捻挫していたことも、この判断に影響を与えたとされています。

映像を改めて確認しても、大谷選手の判断はこれほどまでに批判されることではないように感じます。

また、大谷選手がこの判断をした後、三塁コーチとも話し合いが行われました。最終的に、次の試合で同様の状況になった場合には、本塁を狙う指示が与えられ、「それでアウトになった場合でもドジャース全体の責任である。」との確認がなされました。大谷選手もこの説明に納得し、チームとしての対応を受け入れたことが報告されています。

3. 批判の根拠と問題点

今回の報道は、ロバーツ監督のコメントが、まるで大谷が重大なミスを犯したかのように報じられていますが、実際には走塁に関する判断は状況に応じたものであり、すべてのリスクを考慮した合理的なものでした。さらに、大谷選手はチームメートの状態やその後の試合展開を見据えていました。

ロバーツ監督の「脳痙攣」という表現も、現地メディアによると「頭が真っ白になる」や「一瞬の思考停止」といった一般的な言い回しに過ぎず、批判のための言葉ではないようです。

スポニチMLB担当の柳原直之氏は自身のXで、「ロバーツ監督が大谷選手の走塁に言及した場面。”brain cramp”は直訳すると”脳の痙攣”ですが”頭が真っ白”や”思考停止”のような意味だと米記者に確認。走塁の是非、発言の是非が話題となっていますが、言い回し自体は一般的とのことです。」と伝えています。

4. まとめ

メディアによる大谷翔平選手の走塁に対する批判は、一部に誇張が見られるものの、大谷選手自身の説明や監督、コーチとのコミュニケーションからは、彼のプレーがチーム戦略に基づいたものであったことが理解されます。ロバーツ監督のコメントも、メディアが過度に煽る形で報じられましたが、試合全体の流れやチームの状況を考慮すれば、大谷選手の行動が非難されるべきものではなかったことは明らかです。YouTubeなどでは、再生回数目当てでこれを更に面白おかしく編集されているものが多くアップロードされています。私たちも情報の判断が正しくできるよう注意が必要です。