二刀流!森井翔太郎選手とは。アスレチックスとマイナー契約の内容と大谷選手との比較
2025年1月16日、野球界に新たな歴史を刻む出来事がありました。東京都の進学校・桐朋高校出身の森井翔太郎選手が、オークランド・アスレチックスとマイナー契約を結び、高校卒業後に直接メジャーリーグを目指す道を選びました。この記事では、森井選手の特徴とアスレチックスとの契約について、また大谷選手との比較をしてみました。
高校通算45本塁打&最速153キロの二刀流
184cm、89kgの森井翔太郎選手は、遊撃手と投手をこなす二刀流選手として注目を浴びています。高校通算45本塁打という打撃力に加え、投手としては最速153キロの速球を投げる実力を持っています。
夏の甲子園西東京大会1回戦で敗退したため、甲子園出場は逃しましたが、昨年9月には既にメジャー4球団と接触していました。
偏差値71の進学校である桐朋高校の厳しい学業と野球のトレーニングを両立し、文武両道を地で行く選手です。
文武両道といえば、昨年アメリカのスタンフォード大学に進学した大谷選手の後輩、佐々木麟太郎さんを思い起こした方も多いのではないでしょうか?
米国での挑戦を決意
2024年9月、森井選手は家族と共に渡米し、大学のオープンキャンパス参加や、メジャーリーグ球団の施設や試合を視察しました。その結果、一からはい上がっていきたい気持ちが湧いてきたと、日本のプロ野球(NPB)を経ず、直接メジャーリーグに挑戦するという決断をしました。
FRaU(フラウ:講談社)のインタビューで、「メジャーリーガーに最終的になりたいっていう大きな目標がある中で、そこの下部組織で、将来メジャーリーガーになるであろう選手たちと切磋琢磨しながら、英語力を磨いたり、アメリカの文化もたくさん学んだりしていったほうがメジャーに上がってからの苦労が少ないんじゃないかって考えました。」ともコメントしています。
アスレチックスとマイナー契約
森井選手は、アスレチックスと150万ドル(約2億3,700万円)という日本人アマチュア選手としては史上最高額の契約金で合意しました。この契約は、米国の野球専門誌「ベースボール・アメリカ」の2025年国際FAプロスペクトランキングで23位にランクインした彼の評価を物語っています。さらに、「ベイスボールFR」では14位にランクされ、彼の将来性が高く評価されていることがわかります。
これからはアスレチックスの傘下で、メジャーリーグ昇格を目指して努力を続けることになります。高校から直接メジャーを目指す日本人選手として、彼がどのように成長し、活躍していくのか注目が集まります。
ダン・ファインスタイン副ゼネラルマネージャーは「彼は非常に才能のある野球選手で、遊撃手と投手の両方をこなせるだけの運動能力と機動力を持っています。しかし彼の身体能力以上に、我々が最も注目したのは、野球に対する彼の情熱と、日本の次世代の偉大な選手の一人になりたいという揺るぎない願望です。」「彼を二刀流の有望選手と見なしていることは、間違いなく我々にとって有利なセールスポイントでした。我々は投手コーチ、ストレングスコーチ、アスレティックトレーナーと社内で話し合い、彼の腕を守りつつ、両方のポジションで十分な練習を積めるようなプランを立てています。」とコメントしてます。
Baseball Americaによる森井翔太郎選手のスカウティングレポートでは「コントロールを磨く必要がある」とも指摘されていますが、アスレチックスは、森井選手を二刀流選手として育成する計画を立てており、これが森井選手が同球団と契約する決め手となった一因です。アスレチックスの関係者は、彼の可能性に大きな期待を寄せています。
動画:森井翔太郎選手入団スピーチ Instagramより
大谷翔平選手の影響
森井選手が野球を始めた小学1年生の時に大谷選手は二刀流としてプロデビューしました。物心ついた時から二刀流の大谷選手を当たり前のように見てきたからこそ、この選択は彼にとって特別なものではないのかもしれません。
大谷翔平選手もこの森井翔太郎選手の二刀流の挑戦を嬉しく思っているのではないでしょうか。
高校時代の森井翔太郎選手の成績など
※ベースボールアメリカのスカウティングレポートも参考にしています。
最速153キロ:
最速94マイルの速球を投げ、スライダーとスプリッターの制球にも定評があります。
高校通算ホームラン45本:
シンプルな左打ちのスイングで、バレルコントロールに優れています。高いコンタクト能力とバットスピードを持ち、引っ張った際には本塁打を放つ力も見せます。
守備:
優れた運動能力とスムーズな動き、プラス評価の強肩を持ち、遊撃手としての適性が高いと評価されています。
評価:Baseball America scouting reportより
甲子園:
なし
高校時代の大谷翔平選手の成績など
最速160キロ:
高校3年(2012年)夏、岩手県大会準決勝で160キロという日本の高校球児としては驚異的な速球を記録しました。この記録は高校生ではもちろん、アマチュア野球初記録でした。しかし、次の決勝(盛岡大付属)で敗れ、最後の夏に甲子園出場は叶いませんでした。
高校通算ホームラン56本:
高校通算での記録としては、56本塁打以上を記録した選手は意外にも多く、大谷選手を含め95名となっています。しかし、多くのホームランバッターは引っ張りといわれる方向へ打ちますが、リトルリーグ時代から多くのホームランボールが無くなったり物を壊してしまったりすることで、監督(父親)から引っ張り禁止令が出ていたことは有名です。高校でもこの引っ張りはしていなかったようで、同級生はインタビューで「全部右方向に引っ張れば、多分100本でも200本でも打てたでしょうけど、それをしなかった」と語っています。
同級生インタビュー:NumberWebより
甲子園:
2011年 夏 1回戦敗退(帝京)
2012年 春 1回戦敗退(大阪桐蔭)