大谷選手の税金問題
大谷選手はロサンゼルス・ドジャースと史上最高額となる10年総額7億ドルの契約を結びました。しかし、この契約金の内約97%の6億8千万ドルを後払いにすることで、現在の価値は4億6千万ドルに下がるとされています。この後払いは税金節約の基本原則として解釈されており、大谷選手は2024年には60万9,499ドルを超える収入に対して37%の所得税を支払うことになります。また、連邦税、カリフォルニア州税、メディケア&メディケア追加税、州障害保険(SDI)を合わせると、合計約53.75%の税金がかかるとされています。
憤りを感じてしまう専門家のコメント
USA TODAYによると、多くの専門家は、大谷選手がカリフォルニア州の重い州税を避けるために契約金の大部分を後払いにしたと推測していて、さらに引退後は、州所得税のないフロリダ州等に移住することもできるとコメントしています。
大谷選手の税務分析を発表
カリフォルニア雇用経済センターは、大谷翔平選手の年俸7000万ドルの大半を10年間で繰り延べるという決断に関する特別レポートを発表しました。
分析によると、大谷氏が2034年までにカリフォルニア州外に転居した場合、給与のほとんどを実質的に定額年金で受け取ることで、州税を9800万ドルも節約できるという。また、カリフォルニア州の歳入モデルは、大谷選手のような高所得の納税者に大きく依存しており、さらに重要なことに、彼らの収入と州内にとどまる居住地の両方に依存しています。分析によると、2033年に居住地を変更することで年間に節約できる所得税額は、2021年の下位178万人の納税義務の合計に相当するそうです。
【要点】
繰延所得: 大谷選手は平均年俸7000万ドルのうち6800万ドルを繰り延べる。この異例の仕組みにより、ドジャースは来季の年俸支払いの柔軟性を高めることができる。
税金の影響: 巨額の繰り延べは、繰り延べ所得税に関する懸念を呼び起こした。大谷が繰り延べられた年俸を受け取るときにカリフォルニア州に住んでいなければ、同州の所得税13.3%と州障害者保険にかかる給与税1.1%を免れる可能性がある。
節税の可能性: その所得を10年間繰り延べることで、大谷はカリフォルニア州の税金を年間980万ドル、契約期間全体で9800万ドル節税できる可能性がある。
州歳入への影響: 大谷選手のドジャースでの収入の97%が繰り延べられるため、カリフォルニア州は大谷選手の年俸の大部分から税金を徴収できるようになるまで、少なくとも10年は待たなければならないことになる。
結論として、大谷選手の税金事情は複雑であり、税法やMLB契約の構造についての議論を巻き起こしている。
参考:USA TODAY、California Center for Jobs & the Economy
動画:座席からドジャースタジアムを見渡す大谷選手
ドジャースタジアム
所有者:チーム
開業年:1962年
平均チケット料金:50ドル
座席定員:56,000
思っていたよりドジャースに利益は少ない!?MLB全30球団で均等に分配とは
大谷選手の影響で、チケット販売、グッズ販売、スポンサーシップを通じて大きな収益を上げると予想されるが、ドジャースが利益を得られないかもしれない分野もある。例えば、ジャージの売り上げが増える可能性はあるが、グッズの売り上げはMLB全30球団で均等に分配されるため、ドジャースが特別利益を得ることはない。
ドジャースが米国での放映権をもち利益を得ている一方で、MLBはチームの国際放映権をすべて所有しており、それらをパッケージ化している。その後、収益を30クラブに均等に分配。
2024年からドジャースの試合は日本での関心が高まるが、ジャージの売り上げと同様に、ドジャースが受け取る利益は30分の1に過ぎない。
とは言え大谷選手の契約により、更にドジャースへの関心が高まり利益をもたらすのは間違いない。
いずれにしてもMLB全体にとって大谷選手が与えた影響は計り知れない。
大谷選手にとっても関心に薄れつつあった野球というスポーツが多くの人に関心をもってもらえたことは喜びであることは間違いない。