ドジャースでも流行る?マンシー選手も使った「魚雷(トルピード)バット」とは
昨シーズンから使用する選手が増えてきた「魚雷(トルピード)バット」。2025年、ヤンキースでこのバットを使用した選手のホームラン数が話題となり、多くの選手がこの「魚雷(トルピード)バット」と試し始めています。
ドジャースでも強打者マックス・マンシー選手がこのバットを使用したことで、日本のファンまでも話題は広がり注目を集めています。果たしてこのバットは、ドジャースでも新たなトレンドとなるのでしょうか?
「魚雷バット」とは?その特徴
「魚雷バット」という名称は、その形状に由来します。通常のバットよりもバレル(打球部)にかけて急激に太くなり先端に向かってまた細くなるデザインが特徴です。まるで魚雷のようなシルエットを持つことから、この名前が付けられました。
この独特な形状は、最も太い位置が通常よりグリップに近くバットコントロールしやすく、ミート率の向上に寄与すると言われています。
MLBのバッドに関するルール
- バットは滑らかな丸棒で、最も太い部分の直径が2.61インチ以下、長さが42インチ以下でなければならない。
- バットは一枚の無垢材で作られなければならない。
マンシー選手の使用例と効果
マックス・マンシー選手は、4月2日(現地)第3打席までこの「魚雷バット」を使用しました。しかし、彼のパワフルな打撃スタイルに、このバットがあっていなかったようで、第4打席に元使用していたバットに戻し、同点となる2点二塁打を放ちました。
マンシー選手コメント
「バットの感触は良かったし、スイングも悪くなかった。ただ、打席の中でスイングが軌道から少し外れてしまっていた感覚があった。ゾーン内に長くバットが残っていないというか、スイングが少し早く抜けてしまっていた。」
「なので最後の打席では、自分のいつものバットに戻すことにしたんだ。すると、いいスイングができて結果も出た。」
「ディラン・リー投手との対戦では、彼はゾーンの端を突いてくる良い球を投げていた。でも、自分としては捉えている感じがあった。ただ、スイングの何かが違った。機械的な問題じゃなくて、感覚的に“これはバットのせいかな”と思った。」
「おそらく、バットの重心が普段と違うことが原因。自分はバットの先に重さがある方が好みなんだけど、トルピードバットはそれとは逆の設計だったから、合わなかったのかもしれない。」
「試合では、おそらく自分の通常のバットを使うことになると思うよ」
「ただ、バッティング練習(BP)ではトルピードバットを使う価値はあると思う。試合では自分のバットに戻すという使い分けもアリかもしれない。最後の打席ではそれでうまくいったしね。」
「まあ、僕ら野球選手は全然ジンクスとか信じないからね(※もちろん冗談で)…さて、どうなるかな。」
課題と今後の展望
一方で、「魚雷バット」が広く普及するためにはいくつかの課題も存在します。マンシー選手のように、その特殊な形状が全ての選手に合うとは限りません。バッティングスタイルや好みによって、従来の形状のバットを好む選手もいるでしょう。
実際に「魚雷バット」が選手のパフォーマンス向上に貢献することが証明されれば、さらに他のチームや選手にも広がる可能性を秘めています。
“Torpedo” bats continue to be the talk around baseball – here’s what you need to know! pic.twitter.com/ld5bLsHbjG
— MLB (@MLB) April 1, 2025
昨年ア・リーグMVPで本塁打王のアーロン・ジャッジ選手コメント
「トルピードを振ったこともなく、今後も試す予定はない。」
「過去数シーズンに私がやってきたことは、それ自体が物語っている。」
「うまくいっているものをなぜ変える必要があるんだ?」
「キャリアを重ねていく上で調子が落ち始めたら、新しいことに挑戦することを検討するかもしれない、今はこのままで良いと思う。」
昨年ナ・リーグMVPで本塁打王の大谷翔平選手コメント
「いきなり使うということはもちろんないと思います。」
「最初から可能性を排除することはないと思いますけど、今のバットに充分満足しますし、いいフィーリングが帰ってきているので、今のところは継続して今のバットを使うんじゃないかなと思っています。」
「魚雷(トルピード)バット」を使用した、または購入したと言われている選手
ロサンゼルス・ドジャース
- マックス・マンシー
- キケ・ヘルナンデス
他にも複数のドジャースの選手が、魚雷バットを受け取っているとされています。
ニューヨーク・ヤンキース
- ジャンカルロ・スタントン(2024年使用)
- オースティン・ウェルズ
- アンソニー・ボルペ
- コディ・ベリンジャー
- ジャズ・チザム・ジュニア
- ポール・ゴールドシュミット
シカゴ・カブス
- ダンズビー・スワンソン
- ニコ・ホーナー
ボルチモア・オリオールズ
- アドリー・ラッチマン
ミネソタ・ツインズ
- ライアン・ジェファーズ
ニューヨーク・メッツ
- フランシスコ・リンドーア
シンシナティ・レッズ
- エリー・デラクルーズ
- ホセ・トレビーノ
タンパベイ・レイズ
- ジュニア・カミネロ
トロント・ブルージェイズ
- デービス・シュナイダー
ピッツバーグ・パイレーツ
- オニール・クルーズ
上記のように多くの選手が注目を集める「魚雷バット」。その独特な形状は、飛距離とミート率の両立を目指すバッターにとって魅力的な選択肢となるかもしれません。今後「魚雷バット」がドジャース、そしてメジャーリーグ全体で新たなトレンドとなるのか、注目していきましょう。